作品紹介

湯けむり、サービス、密航者♥
■『夢をひさぐ船』

 ワタルは戸惑った。
 怒られるのだと思ったのに、そうではないらしい。お姉さんたちの顔つきが、興味深そうな表情からイタズラっ子のようなそれに変わっている。
 お姉さんたちはしっかりとワタルの腕をかかえこんだ。左右の腕がそれぞれお姉さんたちの腹部に密着していて、肩の上には大きな胸の膨らみを感じる。
 薄い布地のワンピースの下には何もつけていないのか、密着した部分はやわらかく、熱かった。
 お姉さんたちに引きずられて扉の向こう側へと足を踏み入れると、そこはやたらに広い空間だった。宇宙船の内部としては非常識な広さだ。
 まず、シンプルなベッドが数台、その奥にタイル張りの床が広がり、部屋の向こう端はプールほどもある浴槽だった。
(これって……大浴場?)


 ある理由から、裕福な家庭を飛び出した密航者の少年ワタル。そんな彼が潜り込んだ宇宙船〈桃の香り〉は、驚くべきことに、綺麗なお姉さんたちが裸で男性客にサービスする娼館船だった! 星と犬をこよなく愛するライター・貝花大介が放つ、ちょっとエッチなSFロマンアドベンチャー。宇宙に浮かぶ芸術品、きらびやかな超豪華客船に迷い込んだワタルの運命は……?





それはもうひとりのあなたのセカイ
■『実験二人称小説「妹とのコト」』

「む〜、暑いな今日は」
 そう言うと、あなたは傍らのリモコンを手にとり、クーラーを強くした。
 こう暑くては、レポートを書くペンの動きも鈍るというものだ。
 あなたは窓の外の青空を恨めしそうに睨むと、椅子の上で伸びをした。
 と、階下で玄関の扉が開き、閉じる音がした。
「たっだいま〜☆」
 元気な声が、あなたの部屋まで届いた。
 返事をするものはいない。それも当然だ。
 今、この家にいるのは、あなたと、そして今帰って来た、あなたの妹だけなのだから。


 年頃のかわいい妹が"あなた"に語りかけてくる二人称型シチュエーションドラマ。学校から帰ってきたばかりの妹とふたりだけで過ごす夏の午後。いつもと変わらぬ日常のひとコマ。なのに、妹の学校で起きた小さな事件の話から、兄と妹は互いを妙に意識してしまい……。気鋭のシナリオライター橘圭が描く、生活音に高鳴る胸の鼓動、時計の針の音まで聞こえてきそうなドキドキの数時間!





ダイスを手に、冒険の旅へ!
■『竜の銀嶺』

 竜は、あまりに強すぎた。
 何度となく君は剣で斬りつけた。しかし竜の硬い鱗はそれらを全て弾いて傷ひとつつかない。魔法の炎を打ち込んでも、いっこうに効いたように見えない。
 竜がそのあぎとを大きく開く。辺りの気温が一瞬で跳ね上がる。竜の喉の奥に、赤いものがちらりと揺れるのが見えた。燃え盛る竜の吐息ドラゴンブレスを吐こうとしているのだと分かる。そしてそんなものを受ければ、人間など一瞬にして灰も残さずに焼き尽くされてしまうだろうとも。
 結局、無謀だったのだろうか。人が、竜に挑むことなど。
 君は覚悟を決めなければならない。長いようで短かった冒険の旅はここでおしまいだ。
ここで死んでしまう者には、それから先の物語など無い。
 これまでの戦いで血を流しすぎた。意識が朦朧としている。
 だが、消え行きそうな意識の下で、
銀色の空にて眠る二人の姫君が、時を夢みて、夢を時に溶かす──"
 何かの魔法を使おうとしている、ミレオの声が聞こえた。


 少年戦士シナード・サングィスとなり、竜を倒す旅に出る冒険ファンタジーゲームブック!! プレイヤーは「体力点」「技術点」「魔法点」の各パラメータを設定して自分の分身=シナードを作り出し、様々なモンスターや謎かけ(リドル)が待ち受ける"剣と魔法の世界"を駆け抜けていく。活気に満ちた露店市、古代の叡智が眠る大図書館、鬱蒼と覆い茂る魔の森、古い魔術師の塔……。果たしてあなたは無敵の竜を倒し、大切なパートナーの少女を救うことができるだろうか? "ゲームデザイナー"枯野瑛が綴る冒険文庫ルネサンス第一弾!













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